◎ヤンバルクイナ(クイナ科) 国指定天然記念物、特殊鳥類、絶滅危惧種 見分け 全長約30cm。背面は緑がかった黒かっしょく色、腹面は胸から 腹にかけては黒と白の横じま。目の後ろから後ろ頭にかけて白い 帯状の斑がある。目・くちばし・足は赤い。尾は短い。 鳴き声 クリャー、クリリャー、とか警戒の声と思われる声に、キョッキョッキョッ、 と連続で大きい声を出す。明け方木から降りる時仲間(つがい)に知らせる 生息 森林の谷間や湿地。昼間は地上を歩き回って餌をあさり、夜は木の上 に登って寝る。飛ぶ力が弱く、飛んでいる場面はほとんど見られない。 繁殖 4〜7月頃。谷川に近い傾斜地、シダや草の茂ったやぶの中の地面。 巣はあり合わせのおちばを用いた粗末なもの。4〜5個の卵を産み、 20日前後でふ化する。ヒナは、目のまわりとくちばしの先端が灰白色 しているだけで体は黒色。 分布 沖縄本島北部の山地に限られる(大宜味村、国頭村、東村) *1981年山階鳥類研究所報に新種のクイナとして記載される。 ヤンバルクイナが発見される数年前に沖縄本島南部と宮古島の洞窟からもクイナの化石が 発見される。かっては琉球列島全域に生息していたと考えられる。 発見時約1800羽・現在はかなり減少していると思われる。
◎ノグチゲラ(キツツキ科) 国指定特別天然記念物(1977年)、特殊鳥類、絶滅危惧種、国内希少野生動植物類(1993年) 見分け 約31cm(ヒヨドリよりやや大きい)。体は赤味を帯びた黒褐色(くろかっしょく)、 翼と尾は黒く、翼の風切に白斑がある。くちばし灰白色、足は鉛色。オスと幼鳥の頭上は赤く メスは黒褐色。 生息 自然林のうす暗い樹の幹や枝を伝って虫や木の実を食べる。枯れ木の幹に潜んでいる虫を鋭い くちばしで穴をあけて食べることが多い。枯れ木をくちばしで激しくたたいてタラララ・・・・(ドラミング)と 連続音を出す。 繁殖 晩春〜初夏。(ごくまれに8月ごろまで)枯れた樹の幹に、巣口約7cm、深さ50cmほどの巣穴を造って、 2個〜4個ぐらいの卵を産む。ヒナの巣立ちは5月下旬〜6月上旬。 分布 沖縄本島北部の限られた森林。 近年の環境 林道建設、森林伐採、ダム建設等により生息環境はいちじるしく悪化している。(ヤンバルクイナも同じ) 一部地域ではイタジイの大木がないため(伐採による減少)人工巣箱による強制繁殖が試みられている。 1999年6月頃から環境庁(環境省)により生態調査と称してノグチゲラを捕獲して足にリングをつけている。 2000年6月時点で21羽にリングをつけている。その後も継続中とのことである。 90羽前後と言われているが以前より探すのが難しい。 *ノグチゲラはイギリス人ジェイムス・プライヤー(James・Pryer)氏の発見。 1887年英鳥類学会誌「マイピス」に新種として発表される。 イギリス人ジェイムス・プライヤー(James・Pryer)氏は1886年5月から6月沖縄に渡り(1871年来日) ジェイムス・プライヤー氏が連れてきた採集人(ノグチ氏)に1886年8月まで沖縄の動物採集にあたらせた。 採集人(ノグチ氏)は沖縄本島北部で標本一点(幼鳥)を採集した。ジェイムス・プライヤー氏は、翌年大英博物館の シーボム(Seebohm)氏に 鑑定を依頼しPicus noguchiiと命名する。ノグチ氏については詳細は不明。